こちらのドレスのレース部分はアンティークのレースを使用しています。
フランスやベルギーの地方の蚤の市で少しづつ集めたものを繋ぎ合わせて一着のドレスにしました。

レースの柄は織られた国や地方で少しづつ異なります。
とりわけアンティークのレースになると機械ではなく手で織られています。
昔は一枚のレースを織るのに大変な時間と手間を要しました。明かりも満足に無い中での作業ですので、目を悪くした職人さんも多いそうです。
今では織り機も発達し見分けるのも難しくなりましたが、やはり手織りの繊細な柄と触った時の質感は真似出来ないでしょう。
こちらの身頃に使ったレースは19世紀のシャンティーレースだと思われます。
レースの繋げ方は、柄を追いながら手でまつり付けていきます。柄の流れが切れてしまわないように少しづつ、、


最後にビーズを散らせて完成。こちらも数種類のビーズの色のバランスを見ながら手で留め付けていきます。
とても時間と気力のいる作業ですが、昔のレース職人の手間と努力を考えれば苦にはなりません。
何でもスピードど合理性を求められ、簡単に物が作られ 捨てられていく昨今、このレースのように遠い昔に大変な時間と手間がかけられて造り出された物を扱うと現代に足りない何かが見えてくるような気がします。
